「なんかみんな目の周り黒くなってる…」
高校生になってしばらく経った頃、周りの女子を見てそんなことを思っていた。なんであの子もあの子もみんな目の周りが黒いんだ?
お分かりの通り、その正体は「化粧」である。
身近な女子や女友達が化粧を始めて、「えっ」となった男子は少なからずいるのではないかと思う。そのタイミングが僕は高校だった。
高校時代のことを考えていたら、「ああ、初めは女子の化粧に違和感覚えまくりだったなあ」という記憶が蘇っておもしろくなったので、当時を思い出しながら文字に書き起こしたいと思う。
念のため、化粧批判とかそういう主旨ではないことを断っておく(むしろ肯定派)。ライトな記事なので、「バカな男子高校生だったんだな」と軽い気持ちで読んでもらえると嬉しい。
目次
高校生になると周りの女の子が化粧を始めた
僕の通っていた中学は田舎にある公立校だったこともあってか、化粧っ気もなく、良い意味で素朴な子ばかりだった。
それが高校に上がると、状況が一変する。
周囲の女の子がみな「化粧」をし始めたのだ。このときの衝撃は僕の中でかなり大きなものだったと記憶している。
目の周り、黒くない?
化粧が施された女の子たちの顔を見て、初めに抱いた印象は「なんか目の周り黒い」。
これは多くの男子高校生が抱く感想だと思う。「どうしてなんだ…なんでそんな目の周りを黒くするんだ…ギャルになりたいのか…」と僕の頭の中で疑問符が飛び交っていた。
”化粧をし始めた子、眼の周りの黒い問題”はむしろ、後になって女性陣自らがネタにしているのをよく聞く。化粧を始めたての頃は良い塩梅が分からないため、ああなるのだとか。
なんで同じタイミングで化粧を始めたんだ?
化粧の衝撃を強めたのは、そのタイミング。
大部分の女子たちが高校に入ってしばらくした頃、夏あたりだろうか。その時期を境に化粧をしてくる子が増えたように思う。たまたまなのかな。
みんな同じような時期に化粧をし始めるものだから、衝撃が倍増だよ。びっくりしたよ。
当時の僕が化粧に対して覚えていた違和感
高校に上がってから周囲の女子が化粧をしているのを見て、僕はいくつか違和感のようなものを覚えていた。
化粧しない顔の方が素朴でかわいい
まずシンプルに「化粧しない顔の方がかわいいだろ!」と思っていた。
ここは好みもあると思う。いなかっぺ丸出しでごめんなさい。当時は田舎での義務教育時代を経てすぐだったことを鑑みて、どうか許してほしい。
女子たちが大人に近づいて、置いていかれた感覚
僕の中で「化粧=大人の女性がするもの」という先入観があったため、自分と同じ高校1年生の女子たちが化粧を始めたことに対して、「自分だけ子どものまま」みたいな感覚もあったように思う。
ワイはまだガキのままなのに、ちょっと待ってくれや!みたいな。
自分の顔で勝負せんかい!
熱血漢みたいなフリになってしまったが、「自分の生まれた顔を偽るなよ!」と感じていた。まさに「いや知らんがな」という。。
母親や大人が化粧をしているのを見ていても何も思わなかったのに、不思議なものである。それだけ僕にとっては、中学を卒業したばかりの女子が化粧をすることに対する衝撃が大きかったのだろう。
ていうか自分たちだけ顔の印象変えられるのズルくない?
もっと言ってしまえば、「僕だって顔の印象変えたいんですけど!不公平だコノ野郎!!」と理不尽を嘆いていた(大袈裟)。
毎朝化粧をする煩わしさとか化粧が身だしなみになっている大変さとか、そのあたりの苦労には見向きもせず、「ワイも肌の調子悪いときファンデーションで隠したい!!」とニキビ面で(心の中で)吠えていた。滑稽である。
女性にとっての化粧とは
今となっては当時のような化粧に対する違和感はない。むしろ肯定派だ。
社会人になった僕が気になるのは、女性にとっての化粧の位置づけや意義は何なのかということ。
- 日常の身だしなみ。
- かわいさ・美しさという点で、自分に自信を与えてくれるもの。
- かわいいコスメグッズ収集といったコレクター的楽しみ。
- 周囲とのコミュニケーションのため。
- シチュエーションによって変化を付けられる楽しみ。
いろいろな要素があるだろうが、外見だけではなく内面的な美しさ・自信といった部分の形成に大きく作用するのが化粧の最も大きな意義だと思っている。
ある知り合いの女性は「武装した気分になれる」と言っていた。おもしろい表現だと思う。
心までも充実させてくれるという点では、ファッションの楽しさ・おもしろさと似ている。
メンズが化粧をする時代は来るのか
「メンズ化粧品」や「男性化粧品市場」といった言葉の浸透に見られるように、男性が美容について考えたり基礎化粧品を買ったりすることは普通の時代になった。
僕自身も夜に洗顔した後は、化粧水と乳液で保湿をしている。ここ最近で愛用しているのは無印良品のものだ。
化粧品の話だけでなく、メンズ脱毛も流行している。僕もヒゲ脱毛を経験したことがある(痛い)。あとはファッションの世界も「ジェンダーレス」が流行している。
こうした流れの中で、”化粧は女性がするもの”という今の常識がなくなる未来がくるかもしれない。常識なんてその時代の価値観を反映したものに過ぎないし。
僕はというと口紅とかそういうのをしたいとは全く思わないが、応急処置としてのコスメグッズの便利さは良いなと思う。
少し前に眉毛を整えるのを失敗して「こりゃやべえ」となったとき、excelっていうブランドのアイブロウを教えてもらって対処したことがある。めちゃくちゃ便利で感動したよ。自然な眉毛が描けちゃうんだもん。
「肌の調子悪いとき化粧で隠したい!女子だけズルい!」とニキビ面で吠えていた高校生時代の僕のような男子が、普通にファンデーションを使っているなんて未来がくるのかな。『メンズファンデ』も既に商品化されているみたいだし。
ある男子高校生が、周囲の女子が化粧をし始めてビックリした話 から風呂敷を広げ過ぎてしまったので、この辺りで終わろうと思う。